防水レザーについて

防水レザーについて

ベロポーチなどで使用している防水レザーの特徴についてご紹介。

こちらの革は鞣しの段階で防水剤を浸透させているため、あらゆる方向からの水も浸透しない仕上がりになっています。
鞣しの段階では革の繊維にまでしっかりと防水剤を浸透させることができます。
一部、革の中には表面のみ防水加工を施し、防水レザーといわれているものもありますが、CuirVeloで使用している防水レザーは表裏側面防水となり「完全防水」とうたうことのできる革になります。

防水レザー

ただしカバンなど製品として内容物が濡れないといった防水機能は備えておりません、(もちろん通常の風雨などは十分に凌げます)これは縫製の針穴やフタの隙間などから水が入る可能性があるためです。

なぜ防水レザーを使用するのか。

そもそも革は水に「弱い」?

革は古くから衣類や馬具などに使用されています。その耐久性はとても高く、何百万年前から人は革を使用していたといわれています。そんな革という素材が水に弱いわけがありません。むしろ水に強いからこそ馬具や靴に使用できたといえます。ではなぜ 革は一般的に水に「弱い」といわれているのか。それは水にぬれることで染色が落ち、色移りや色が抜けシミになるといったことや、水分を含んだ革の繊維が乾く際に油分等が抜け、繊維が硬く結びつき、硬化や縮みといった形状の変化が起こるからです。しかし革はこれらの変化で壊れることはありません。ですがせっかく高価な革にシミやシワが付くのは嫌なものです。

高価な革はなるべくきれいに使いたい、濡らしたくない、といった思いは当然です。そのため革がファッションとして流通することで取り扱いの注意事項やお手入れの方法などから「革は水に弱い」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。

防水レザー=防汚レザー

このように革は 水にぬれることで、革の内側から汚れがしみだしてきたり、付着した汚れが繊維に入り込んだりして形態を変えていきます、「革を育てる」といった経年変化は革を楽しむ醍醐味の一つです。自らの手で触れ、ともに時を感じ経てゆくことは素晴らしいことですが、意図しない雨などで汚れていくのは避けたいところです。

水にぬれることで汚れていくのであれば、水を掛けなければいいのですが、自転車や、アウトドアで使用する以上、突然の雨という場面は必ず遭遇してしまいます。そんな時にも革が濡れないようにするには革自体が防水であることが重要だったのです。防水というのは水をはじいている状態なので完全に水につけたとしても濡れることはありません。

左が新品未使用 右は1年以上使用

右側は1年以上使用したものですが、保管方法が自転車に取り付けたまま屋外(簡易屋根のみ)で保管したものです。時にはファスナーを開けっ放しで放置し、ゲリラ豪雨により中に水が溜まっていたことも。。。その後も一切の手入れをしていません。それでも、硬さや形状の変化、シミができることはありません。パッチの部分は防水ではないヌメ革を使用しているためこちらはとても味のある飴色になってきています。

革の機能性、特に丈夫さなどはアウトドアにはもってこいです、ただしアウトドアに水濡れは不可欠、汚れを気にしていてはアウトドアできない、そんな相容れない部分をかなえてくれる革がこの防水レザーなのです。

防水レザーを使用したVeloPouch「Charlie」

防水レザーを使用したサドルポーチ