「革製品が欲しいけれど、本革と合皮、どちらを選べばいいの?」バッグや財布などを選ぶ際、このように思ったことはありませんか?一見するとよく似ている2つの素材ですが、その性質や耐久性、そしてメンテナンス方法は大きく異なります。
本革と合皮の違いとは?
比較に入る前に、本革と合皮がどういった素材か解説していきます。
本革とは?
本革(通称:天然皮革・リアルレザー)は、文字通り動物の皮をなめして防腐処理を施した素材です。牛をはじめとした動物の皮膚の構造をそのまま残しているため、高い耐久性を持っています。
また、使うほどに色に深みが増したり艶が出たりする経年変化(エイジング)が大きな特徴です。
合皮とは?
合皮(合成皮革・フェイクレザー)は不織布などの布地をベースにして、その表面にポリウレタン(PU)などの樹脂をのせることで革のような質感を人工的に作り出した素材です。品質が均一で安価で大量生産できる点がメリットです。
耐久性・寿命の違い
素材を選ぶうえで気になるポイントが寿命です。
本革は繊維が密で強いため、非常に丈夫で、適切な手入れをすれば10年以上使い続けることも珍しくありません。長く使えば使うほど柔軟性が増し、前述したような経年変化を楽しむことが出来ます。
一方で、合皮の一般的な寿命は2~3年程度と言われています。
特にポリウレタン素材などは水分と化学反応を起こして表面がボロボロになる「加水分解」という劣化現象が避けられません。
たとえ未使用でも劣化が進んでしまうため、長期的な愛用には不向きです。
風合いとエイジング(経年変化)
革製品を持つ醍醐味ともいえる経年変化についても本革と合皮は正反対の性質を持っています。
本革の最大の魅力の一つとしてエイジングがあげられます。
使いこむほどに手の油分などが染み込み、色が深く濃くなり、美しい艶が生まれます。自分のクセに合わせてシワが入ったり形が変わったりすることで、オリジナルのアイテムへと育っていきます。
一方で合皮は、基本的に経年変化をしません。購入した瞬間が最も美しい状態であり、使っていくうちに表面がひび割れたり剥がれたりして劣化していきます。均一できれいな見た目をキープできる期間はありますが、本革のように育てる楽しみはないと言えるでしょう。
コストパフォーマンスの考え方
価格についても、「高い=良い」とは一概に言えません。目的によってコスパのとらえ方が変わるからです。
本革は初期費用こそ高いものの、耐久性が高いため、一度買えば長く愛用できます。一年あたりのコストで換算すると、頻繁に買い替えるよりも実は経済的であるケースも多いです。
一方で合皮は初期費用が安く抑えられるのが最大のメリットです。トレンドのデザインをワンシーズンだけ楽しんだり、汚れたらすぐに買い替えることを前提とするなら、非常にコストパフォーマンスに優れた素材と言えます。
重さについて
素材選びで見落とされがちなのが、実際に着用したり持ち歩いたりした時の重さと快適さです。ここにも両者の大きな違いが生まれます。
まず重量についてですが、本革は繊維が密に詰まっているため、重厚感と引き換えにどうしても重くなります。しっかりとした厚みのあるレザージャケットやオールレザーのバッグは、長時間身に着けていると重さが負担になることもあります。
対して合皮は、布地をベースにしているため比較的軽量です。荷物が多い日のバッグや、肩こりを気にする方のアウターとしては、合皮の軽さがメリットになります。
結局どちらを選ぶべきか
ここまでの比較を踏まえると、それぞれの素材におすすめな人のタイプが見えてきます。
一つのものを長く大切に使い続けたいと考えていたり、革独特の香りや手触り、そしてエイジングを楽しみたいのであれば、迷わず本革を選ぶことがオススメです。手入れの時間を含めて、革製品を育てる喜びを味わえます。
一方で、トレンドに合わせて頻繁にファッションを変えたい人や、メンテナンスの手間を省きたい人には合皮がオススメです。
また、動物愛護の観点からヴィーガンレザーとしての合皮を選ぶ方も増えています。
「育てる楽しみと耐久性」をとるなら本革、「手軽さと機能性」をとるなら合皮。というように、使用シーンやあなたの価値観に合わせて選ぶことが、後悔しない選び方の秘訣です。
革のプロが選ぶCuirVeloバッグの素材
本革や合皮の違いを理解したうえで、自分の使い方に合った素材を選ぶことは、バッグ選びの満足度に関わっていきます。素材の特性を理解することで、次に気になるのは実際の使い心地やデザインの工夫かもしれません。
「移動を楽しむ」がコンセプトのCuirVeloでは、この素材選びの考え方を大切にしながら、カジュアルからビジネスシーンに応じて長く愛用できるバッグづくりを行っています。
倉敷産帆布や姫路産レザーなど、素材本来の良さが引き立つ日本製の素材を組み合わせ、耐久性だけでなく使い勝手にも配慮した設計を採用しています。
帆布や本革の魅力を楽しみつつ、機能性を求める人には、使い込むほどに風合いが深まり自分だけの味わいに育つ変化と機能性を楽しめるように仕立てています。
逆に気軽さや日常使いのしやすさを重視したCORDURAシリーズのバッグもあり、用途に合わせて選べるラインナップを揃えています。
本革か合皮か。日々の使い方や好みによって最適な素材は変わっていきます。まずは自分のライフスタイルに合う素材を知ったうえで、長く寄り添ってくれる一品を選んでみてください。
CuirVeloのバッグが、その選択肢の一つになるはずです。
